日替わりコラム
懐かしい姿
 地元西海市崎戸町の炭坑跡を訪ねました。
 記念公園に立つ親子の像を眺めていると、幼い頃の自分の姿とダブり、懐かしくて写真におさめてきました。
 炭坑の町に育った私は、夕暮れ時になると炭坑入り口の坑内電車の乗り口まで父を迎えに行き、電車が着き、真っ黒に汚れた炭坑夫の群れの中に父の姿を見つけると、駆けつけて「おかえりなさい」と声を掛け、手をつないで一緒の帰るのが何とも言えない楽しみでした。
 炭坑で働いて私たち5人の子供を育て上げてくれた父は、夕食時にやる晩酌が一番の楽しみで、ニコニコしながら、コップを口に運んでは満足の笑みを浮かべておりました。
 私たちに生活の糧を与えてくれた炭坑も、エネルギー革命の時流に流され、何時しか閉山の時を迎え、真っ黒だったボタ山も木や草が生い茂り、炭坑の痕跡さえも留めないまでに変貌してしまいました。
 今回崎戸の炭坑跡を訪ねた時、この地も私の子供の頃のように炭坑で働いた父や母がいて、帰りを待つ妻や子があり、一家団欒の楽しい時間があったのだなと、胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。
 過ぎ去った時を思い、尚、これから先の人生に何ほどかの貢献をせんと心に誓った一日でした。
文・写真:城戸 恒雄2月19日

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