日替わりコラム
夏山のできごと
先日、母と雲仙の仁田峠まで行きました。長崎地方は梅雨明け直後で空は快晴、展望台からは、1990年に噴火した平成新山が溶岩の後も荒々しく迫り、また眼下には天草の島々をかかえた有明海が広々と見渡せました。夏は山もいいですね。

標高1080mの気候は涼しくてとても快適です。諫早の実家では暑さにうだっていた母が、1時間30分強のドライブ後にもかかわらず、展望台までの遊歩道をまるで若者の様にアイスクリームを食べながらずんずん歩き出したのには驚きました。86歳になった母は、日頃は食料品の買い物も億劫になっているのですが、この日は、よほど嬉しかったようです。

途中、左右から介添えされて歩いてくる真っ白な髪のお婆ちゃんを見つけて「おいくつですか?」とお訊きして、3つも年下だというその方に「お元気でね!」とエールを送りつつ、内心、満足げな様子の母でした。親子というのは大体何を考えているのか、お互いに心がよめるので、面白いですね。ともかく、たったひとりで8年半の時間を父の介護に献げ、今でも当時のストレスのために精神的に揺らぐ事のある母が、明るく元気な姿を見せてくれて本当に嬉しくなりました。

ポーズをとる母をカメラで撮影していたら、リュックを背負った登山姿の若者が「お二人での写真を撮りましょう!」と言ってシャッターを押してくれました。堂々とテキパキと写真を2枚撮ってくださって、「ありがとう!」とお礼を言うと、軽く会釈して何事もなかったかのように、他の登山客の中に紛れてしまいました。何とも爽やかでステキな素晴らしい青年でした。本当にありがとう!

かの青年が撮してくださった写真には、若い頃の父によく似た雰囲気の私が母に寄り添って写っていました。
文・写真:林 光子7月25日

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