日替わりコラム
ボストン美術館展
 先月、福岡の「九州国立博物館」(上の写真)で行われている特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」へ行きました。アメリカのボストン美術館には、明治時代にフェノロサやビゲロー、岡倉天心によって収集されたコレクションが寄贈されたのを含め、十万点を超える日本美術の収蔵品があり、「日本美術の殿堂」とも称されるそうす。今回は、その中の貴重な名品を厳選して出品されていました。

 展示作品には、「法華堂根本曼荼羅図」(奈良時代8世紀)や「馬頭観音菩薩像」「普賢延命菩薩」(平安時代12世紀)などを始め、「平治物語絵巻」、「吉備大臣入唐絵巻」など、日本にあれば国宝級の作品ばかりです。特に面白かったのが、「吉備大臣入唐絵巻」です。遣唐使として唐へ渡った奈良時代の学者・吉備真備(きびのまきび)が、さまざまな難問に立ち向かうという物語ですが、鬼の助けを借りて術を使って空を飛んだり、囲碁の勝負にこれまた術を使って交わしたり、奇想天外な物語と登場人物のユーモラスな表情や仕草が、現代のマンガのように描かれていて、思わず笑ってしまいました。

 この展覧会で一番見たかったのが、図録の表紙(下の写真)にもなっている曽我簫白(そがしょうはく)の傑作「雲龍図」(江戸時代)です。横は十メートルを超える八面のふすま絵で、巨大な龍が暗闇からこちらを睨んでいるど迫力の絵なのですが、その圧倒的な存在感とは裏腹にその表情には愛嬌があり、これもまた思わず笑ってしまう作品でした。他にも、尾形光琳の「松島図屏風」(江戸時代)は、デザイン性が強く色も美しく、島に打ち寄せる波の表現が生き生きとしていて見とれてしまいました。こうして何百年も前の作品が、今日まで大切に守られてきたことを思うと感慨深く、また改めて、日本人の宗教観、自然観に対する美意識と表現力の素晴らしさ、多様さ豊かさに感動を覚えました。私も「雲龍図」をまねて、ちょと遊んで描いてみました。
文・絵:前田 智子2月5日

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