日替わりコラム
「中島 潔(なかしま きよし)」展
 長崎県立美術館で行われている「中島 潔」展に行ってきました。美しい自然の中で遊ぶ子どもたちの絵を多く手がけ、NHKの「みんなのうた」のイラストや「金子みすゞ」の絵本も描いている日本画家です。佐世保のお土産の定番、「九十九島せんぺい」の箱のイラスト(西洋のドレスを着た女性の姿)も彼の作品です。

 中島さんは佐賀県唐津の出身で、18才の時、母親を病気で亡くし2ヶ月後に父親が再婚したため、家を出て故郷を後にしました。母を亡くした悲しみと、父への憎しみの中で人生を送っていたそうです。彼の作品は、郷愁を感じる絵が多く、繊細で美しく可愛らしいけれど、何か寂しさも感じられました。絵の中に童子と一緒に可愛い子犬がいつも描かれていて、「うめきち」という名前だそうで、彼の母の名の「ウメ子」が由来とのこと。中島さんの母親を思う気持ちが、心に染みました。

 中島さんは2010年、5年の歳月をかけ京都「清水寺」の「成就院」に46面の「ふすま絵」を奉納しました。上の画像は、そのふすま絵の中のひとつ、「金子みすゞ」の詩「大漁」をテーマにした作品です。お寺は仏様の世界とつながっているから、母親の供養とお世話になった沢山の人たちが、光の世界へ誘(いざな)われるようにという祈りを込めて描かれたそうです。このふすま絵を描き終えたことによって、これまでの辛い思いを乗り越えられたそうで、子犬の「うめきち」を絵の中に描かなくても大丈夫になったとのことでした。

 スケールの大きなふすま絵と、その他の緻密で繊細で愛らしい作品が、本当に素晴らしく感動しました。家に帰ってみると、たまたま購入していた佐賀米の袋に、中島さんの絵が印刷してありました。(下の画像)
文・写真:前田 智子11月5日

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