日替わりコラム
エビのいのちイカのいのち
 最近は、自炊することが多く、久しぶりに近所の直売所でエビとイカを買った。海に近いこの辺りでは、地元の人が釣ったり摂ったりものが、その日にうちに店の氷の上に並んでいる。市場には出せないような小さな魚も、格安で売ってある。エビは、フライパンでオリーブ油を使って蒸し焼きにすると、簡単に美味しくできる。紋甲イカは、お刺身にしようと思って、いざ、さばき始めた。

 イカを触ると皮膚の色が変わった。吸盤も吸い付く。新鮮だ、というより、まだ生きている。イカを購入する時、大きなイカ一杯と小さなイカ二杯のパックがあったが、大きいのにした。その大きいイカの目が、こちらを見ている。私は、何だか心が痛くなった。イカさんごめんね、イカさんごめんね。と、イカに言いながら包丁を入れた。エビは、火にかけたフライパンに入れると、手足をごそごそ動かした。エビもまだ生きている。

 そういえばずっと以前、横浜に住んでいた時、スーパーで毛ガニを買ってきたことがあった。そのカニも生きていた。私は、その時もカニをなかなか茹でることができず、海に逃がしてあげたいと本気で考えたが、逃がすといっても横浜の港しかない。きっと、死んでしまう。それならば食べた方が浮かばれると思い、この時もごめんねと言って鍋に入れた。心が痛かった。それからカニは買っていない。きっと私は、料理人には向いていない。

 普段私たちは、魚や肉など切り分けられてパック詰めされたものを料理し、懺悔の意識がなく食べることが多いが、自ら生きものを殺して料理した、という懺悔の意識をもって食べるのとは、いのちの重さに対する感謝の思いが違ってくる。魚や肉にしても野菜にしてもお米にしても、みな生きている。そのいのちを頂いて、生かされているということを、忘れてはいけないと改めて思った。
文・絵:前田 智子11月15日

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