日替わりコラム
『平山 郁夫 展』
 先日、長崎県美術館で開催されている『平山 郁夫 展』に行ってきました。平山郁夫さんは、広島県出身で昭和20年(15歳)に広島市内で被爆し、その後遺症による闘病生活と共に画業に従事され、心身の救いを切実に求める制作活動の中で、仏教を主題とする作品を描かれました。東京美術学校(現在の東京芸術大学)の日本画科を卒業と同時に奉職され、のちに学長までつとめられました。

 今回は、長崎の原爆忌に合わせて、広島で毎年夏期に公開されている《広島生変図》が公開されました。これは平山さんが被爆から34年を経てようやく制作された、被爆体験を題材とした唯一の大作です。画面一面に広島の街を焼き尽くす真っ赤な炎が埋め尽くされ、その炎の中に不動明王が忿怒の形相で見つめています。悲劇を乗り越えて「生きよ!」という不屈の生命力の象徴として描かれ、深い鎮魂の思いと生命への讃歌を画面に込めて制作されたそうです。

 「求道と鎮魂の絵画」をテーマにした展覧会を見終わると、館内のロビーで大学生によるミニコンサートが開かれていました。美術館の外に出ると、水辺の森公園でイベントが開催されていて、歌手の華原朋美さんの野外コンサートや花火大会などがあり、たくさんの人で賑わっていました。原爆投下から69年。平和の尊さとありがたさをしみじみと感じ、いつまでもこの平和が続くことを祈りました。
文・写真:前田 智子9月5日

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