日替わりコラム
「棲(す)み分け」
 総本山の境内で、イノシシをよく見かけます。最近は夕暮れも早く、帰宅しようと一人で夜道を歩いていると、真っ暗な山の方からガサガサッという落ち葉の音と、ブヒブヒッ(?)という声が、すぐ近くで聞こえました。イノシシだと思いドキッとしましたが、イノシシも人間が怖いようで、私に気づいて逃げていきました。

 先日テレビ番組で、神戸の六甲山に住むイノシシが、餌を求めて市街地に出没して、人にかみついたりゴミをあさっているというのを見ました。その主な原因は、山に棲むイノシシに、人間が軽い気持ちでお菓子などの餌を与えたため、イノシシが人間を怖がらなくなったのが原因だそうです。市街地に出てきたイノシシは、殺処分されるそうです。

 自然との調和の世界が実現するには、「棲み分け」ということも大切です。『大自然讃歌』には「生かし合いと棲み分けこそ、神の愛と無限の表現なり」とあり、『大日本神国観』には「一切の生物ところを得て争う者なく、相食むものなく、病むものなく、苦しむものなく、乏しきものなし」とあります。自然界では、お互いの棲む世界を侵さず、ところを得ることが、人間を含む多様な生物が調和して生きることにつながるのです。
文・絵:前田 智子11月25日

制作・著作 宗教法人「生長の家」総本山
〒851-3394 長崎県西海市西彼町喰場郷1567
TEL 0959-27-1155 FAX 0959-27-1151