日替わりコラム
愛を積む人
 吹く風が爽やかな季節になりました。
 先日、昨年の日本映画の「愛を積む人」をブルーレイで見ました。原作はエドワード・ムーニー・Jr.の小説「石を積むひと」とのことです。
主人公(佐藤浩市)は親から引き継いだ町工場が行き詰まり、借金を清算して、北海道の小さな家に夫婦で移り住みます。奥さん(樋口可南子)は心臓に大きな病を抱えていますが、夫には内緒にしています。
映画は奥さんが東京で診察を受け絶望的な状態であることを知り、北海道のある空港から家に帰るまでのタクシーの車窓から見たきれいな風景で始まります(舞台は美瑛)。
 奥さんは、一日何をするでもなく過ごしている夫を見て、外国の何かで見た家の廻りの石積みの塀をラフスケッチで描き、夫に見せてこんな石積みで家の囲いを作ったらと勧めます。
主人公は最初は乗り気ではないんですが、それでも近所の石材店から石を分けて貰い、石材店の駆け出しの従業員に手伝って貰って、石積みを始めます。毎日石を積んでいく過程が淡々と描かれ、段々と石積みにはまっていく様子が描かれます。映画の中ではその他いくつかの印象的なシーンが描かれます。
 奥さんは映画の途中で亡くなりますが、主人公が絶望の中で、奥さんが生前残した数通の手紙を見つけていく過程がこの映画のクライマックスです。上手に説明出来ませんのでぜひご覧下さい。
 監督は『釣りバカ日誌』シリーズなどの朝原雄三ですので、夫婦の機微、主人公と石材店の従業員との交流などが、さりげなく描かれいて、心暖まる映画になっています。
最近の過剰な演出の多い日本映画にはない淡々とした水彩画のような映画と思います。
文・写真:財津 光明6月4日

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